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2009年8月 6日 (木)

【Book】きつねのはなし

51be6g0dssl__sx230_きつねのはなし (新潮文庫) 森見登美彦
夜は短し歩けよ乙女」の作者ですが、まったく雰囲気が違いました。まぁ、わかってて買ったんですが。

表題にあるように、きつねのようなケモノに関わる話が4編収録されています。
とは言うものの、実際にきつねと思われるものが大きく関わるのは3編目の「魔」だけで、後は他のものが恐い話になっています。
全編通して、芳蓮堂という古道具屋が関わってきて、どちらかというと、この古道具屋が怪しいとも言えます。

1編目、表題と同じ「きつねのはなし」は、オチも含めてなんとなく小泉八雲の怪談を彷彿とさせる話で、怪しい物に関わると恐ろしい目にあうよという教訓のような雰囲気もあります。
気付かないうちに掌で転がされているというのは恐ろしい事です。
キーワードは芳蓮堂です。

2編目「果実の中の龍」は、きつねというよりも、人の心の闇の部分を語っているような印象があります。
キーワードは龍の根付けです。

3編目、これこそきつねの恐ろしさを綴っているような「魔」。
読み進むとなんとなく予感がしてくるのですが、その予感は嫌な方向で当たってしまうと思います。
キーワードはきつねのようなケモノ。

そして最後の「水神」。
ある意味で前3編の集大成のようであり、まったく別の話のようであり、かなり不思議で不気味な話です。
そういう意味で、前3編のキーワードがすべて集約します。
結局は、タイトル通りであったのだろうという憶測になりますか。

すべての話で不気味で恐ろしい出来事が起こるのですが、すべて何も解決とかはしません。ただ起こってしまうだけ。
唯一、「きつねのはなし」だけはそれなりの解決はするのですが、これがあるから教訓めいて見えてしまうのかもしれません。


IT化も進んだ科学の世の中になって、オカルト的な事は非科学的だと笑い飛ばされる時代ではありますが、1歩通りを外れれば今でもこんな印象を受ける場所はたくさん残ってると思います。
それは田舎であっても東京のような都会であっても同じですよね。
自分がこのような事に巻き込まれた時、果たして笑っていられるかどうか。私はそんな自信はありません。

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