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2009年7月 2日 (木)

【Book】ぼくと、ぼくらの夏

51ztdvpsnel__sx230_ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫) 樋口有介
非常に面白かったです。
買ってから結構積んであったんですが、もっと早く読めばよかった。
一言で言ってしまうと、青春恋愛小説とハードボイルドとミステリーが合わさったような作品です。

さほど親しくもない同級生の死。自殺と思われる状況。
ちょっとした事がきっかけで主人公・戸川春一と酒井麻子は、不自然な自殺の真相を探る事になります。
この主人公が、笑っちゃうくらい飄々とした言動を取るのがすごい良い味を出してます。麻子他から「感情がない」とまで言われるほど(笑)
解説を読んで気付いたのですが、ほんとハードボイルドのヒーローのようです。容姿の描写はありませんが、美人に弱く、妙にモテる。この辺もヒーローっぽいじゃないですか。

でも、一方で、クラスメイトの理不尽な死に怒りを感じたり、些細な事で麻子とケンカしたり、自分の行動で悩んだりと、表には出さないだけでちゃんといろいろ葛藤しているのが見えるのが、さよなら妖精の時のような反発に繋がらなかったんだと感じます。この辺は絶妙ですね。

正直言えば、ミステリーとしてはさほど目新しい内容でもないし、登場する人物がいかにもでちょっとバレバレな感じがしたりするのですが、青春恋愛部分の描写がかなりツボだったもので、どんどん惹きこまれました。
それだけに、ラスト近くになって春一がひとりで解決に動き出したあたりからテンション落ちちゃったかなという感じはします。
最後にちょっとだけでも麻子との話を入れて欲しかったかも。

解説を読んで驚いたのが、この作品が書かれたのが1988年だったという事。
なんと20年も前なんですね。びっくりです。
そう考えると、読んでいる間まったくそんな事を感じさせない、すばらしい作品だったと思います。

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