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2009年4月 1日 (水)

【Book】推理短編六佳撰

51rk78h5krl__sl500_aa240_推理短編六佳撰 (創元推理文庫) 北村薫・宮部みゆき 選
平成7年に開催された第二回創幻推理短編賞で最後の選考までに6作品が残ったにも関わらず、受賞作なしとなったという珍しい経緯を経て、これらの作品を埋もれさすのは惜しいという主旨にて編纂されたのがこの1冊です。
なぜ受賞作なしとなったのかは「はじめに」で紹介されていますので、興味があればぜひ。

最終選考に残るだけあって、収録されている6作品はどれも個性的で面白いものでした。でも、選考員である戸川安宣、北村薫、宮部みゆきがそれぞれ選評で述べられているように、やはりどこかちょっと物足りないと感じるのも事実でした。

一応、推理小説だと思って読んだのですが、いくつかはちょっと異色な物もありました。
それぞれ簡単に感想など。

「萬相談百善和尚」
推理小説というより、ちょっとした教訓物語のような印象です。
和尚の話も言わんとする事はわかりますが、正直なところちょっと都合良すぎと感じてしまいました。
結末は良かった。

「崖の記憶」
これも推理小説という感じではなかったですが、面白さでは1,2を争います。
選評にもあったように、最後でがっかりというのが正直なところ。あれはあれでアリだとは思うのですが…。

「試しの遺言」
天才龍之介を彷彿とさせるパズルをベースとした謎解き物で、結構良かったです。
ただ、遺産相続でそれぞれクセのある兄弟というシチュエーションなのに変に仲がよすぎるせいで、それが逆にいまいち感に繋がってしまったような気がします。
この話もちょっと教訓めいてますね。

「瑠璃光寺」
妖艶な人妻と青年の色情物語という事で、一番異色ですね。これは明らかに推理小説というジャンルから外れてるような気がします。
内容的には面白かったですけどね。

「憧れの少年探偵団」
推理小説の王道っぽい感じではありますが、選評にあるように、子供たちの言動がなにかわざとらしく感じます。読んでいてそれがちょっとひっかかってしまいます。
江戸川乱歩の明智シリーズに対する想いなど、要所要所で面白い部分が多かっただけに残念。

「象の手紙」
内容的に感動物なのに、かなり印象が薄い。なぜだ?
情報が小出しにされてはいるものの、その出し方がいまいちのため、解答偏を読んでも「ああ、そうなんだ」で終わってしまうというか。
一番印象に残ったのが青柳君の薄情さというのはどうなんでしょう(笑)

短編集としてはそこそこ面白かったですが、やはり応募作という事もあって、欠点部分そのままに読んでしまうと粗が気になってしまうというのが正直なところ。
巻末の対談にあるように、手直しを入れた状態で読めたのならかなり印象が違ってくると思います。

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