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2007年10月14日 (日)

声の網

声の網声の網 (角川文庫) 星 新一
ショートショートではなく、12の短編で構成される1つの物語です。
近未来ということで、商品の受注から診療まで、なんでも電話回線とコンピュータを通してできてしまう世界。そんな世界で起きる小さいながらも不可解な事変。
マンション1階にある小さな民芸品店にかかってきた「まもなく強盗が入る」という1本の電話。そして、その通りに強盗が訪れる・・・。

あまり踏み込んでしまうとネタばれになってしまうので詳細は割愛しますが、SFということと、星新一氏の作品を読んだことがあるならば、だいたい予想のつく展開になっていきます。
正直、途中で「あ、このパターンか」と思ってしまいました(^^;

ただ、読み終わってから驚いたのが、巻末の解説で恩田陸氏が書かれていた一文。
この作品のオリジナルが発表されたのは、1970年だったんです。37年前ですよ!?
その当時は、インターネットはおろか、モデムを使ったパソコン通信ですら一般には普及していなかった時代なのに、まさに未来を予測したような本編の内容。
需要予測を調べたり、電話回線(ネットワーク)を使ったショッピングをしたり。この辺はまだSF作家なら想像可能な範囲かもしれませんが、個人のプライバシー問題を取り上げていたりまさにここ数年を予想したような内容が描かれているのには驚きです。
発表年を考えずにそのまま読んでしまうと、なにげに流してしまうほど自然に描かれているのがすごいですね。
正直、星氏の作品としてはそんなに秀逸とは言えない1作ですが、一度気づいてしまうと地味だからこそのすごさというのが感じさせられます。

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